私たちの衣服は世紀を経て変化してきましたが、原始の頃ファッションの原点はビーズ装飾ではなかったでしょうか?
原始の頃、毛皮を身にまとい寒暖を調整する衣服に比べ、ビーズ装飾は、地位の象徴で在り、宗教的な表敬で在り、祈りの原点で在り、美を認識する手段で在った、ビーズ装飾の役割は大きかったと思います。
そして、今日に至ってファッションは変化しましたが、ビーズ装飾はさまざまな文化の下で、その機能を発揮しているのです。
ビーズは、芸術の中で、最も古い 芸術のひとつで有り、人類初めてのファッションではないのでしょうか?
ビーズは、何万年の時を掛けて発展してきました(何十万年と言う人もいます)。
ビーズは、どこで、そして、ビーズはどのようにして出来たのでしょう。
また、どのようにして世界各地でビーズと人とかかわりを持ってきたのかを考えて見ましょう。
ビーズは、約40,000年前の人類の有史以来、文明発祥の地と言われる古代世界のいたるところで作られてきました。ビーズは単に装飾で無く、歴史の様々な社会状況、政治史および宗教史等を映しながら発展してきました。
装飾(ビーズアクセサリー)は、今からおよそ38,000年前にフランスでネアンデルタール人が住んでいた洞窟遺跡から発見された歯や貝殻から作成された物が最古のビーズと歴史の中で証明されています。
その時代は、ビーズは身近にある素材を使って作られてきたので、その地域独自のデザインや技術が多くの地域で生み出され、素材としては、骨、歯、象牙、石、種、木などに穴を開けただけの自然素材の一部を、人々は身に付けていました。装飾学的に言うと、ホモ・サピエンス・ネアンデルターレンシス(ネアンデルタール人)とホモ・ハヘイデルベルゲンシス(ハヘイデルベルゲ人)の間に於て、ビーズの作り方が違っていたと言う説がある、ネアンデルタール人は、装飾する対象物の周りに溝を刻み紐で括った物であった、それに対しハイデルベルゲ人は、現在使われているビーズと同じ様に対象物に穴を空けて紐を通すと言う本来のビーズの形態を作ったそうです。
古代の人々は、集落を作りコミュニティーが発達するとともに、装飾に使用されるビーズも発展と変化を繰り返して来ました。
家族単位だった、これらの地域独自のデザインや技術は、その他の地域に広まって行き、やがて、古代エジプト人やローマ人によって工夫されたビーズやビーズ製造技術は探検家や貿易商等の手により、海路は、ガレー船 、陸路は、シルクロード 等の交易ルート(いろいろな流通する物(交易品)の中にビーズも含まれていました。)に乗り世界に広まって行き、そして多種多様なビーズ達は世界巡り、現在に至っています。現在最も使用されているガラスビーズで、最も古いガラスビーズは古代エジプト遺跡で発掘された物がと言われています。
15世紀以降、ヨーロッピアンビーズが貿易をつうじて世界中にあふれだしたことにより、ビーズの動き、技術、正確なビーズの起源、ビーズのたどってきたルートなどを明らかにするのは困難なことになってしまいました。しかし、世界各地で、歴史研究者の努力により、文明遺跡発掘が進み、ビーズの歴史に関しても新しい発見が、次々と明らかになっています。
ビーズという言葉の起源は、アングロサクソン語の「biddan」、つまり”祈る”又は、「bede」、”祈る人”から来ています。
祈りの為のビーズは世界の半分以上の宗教(仏教、ヒンズー教、イスラム教、ローマンカソリックなど)で使われています。
名前の由来の一説ではアラビア語の ブスル ( 意味は『偽物の真珠』)から来たと伝えられています。
本格的な装飾品としてのビーズワークは、グラスビーズやファイアンスビーズ(ファイアンスとは、ガラスが出来る1000年位前、古代エジプトで流行した石英に少量の石灰、天然炭酸ソーダ、銅酸化物などを混ぜ合わせ、水を加えてペースト状にし、鋳型に入れてできた品に釉薬をかけて焼いたビーズ)が作られるようになった古代エジプトになります。
古代エジプト第四王朝時代(2613-2498 B.C)の墓から、青色に彩色されたファイアンスビーズをネット編みとラダーステッチで作ったドレスとネックレスが見つかっています。
この時代のビーズに関する技術は発達していましたが、これらの技術が古代エジプトを起源とするのか、他国との交易によって伝わってきたものなのかは判明していません。
ガラスビーズは古代エジプトから存在していました。
紀元前200~300年の頃に直径5mm以下のガラスビーズがインドで盛んに作られました。これが紀元後1200年頃になると中国でも製造されるようになります。
その後、ガラス工業の主流はヨーロッパに移ります。
15世紀のイタリア政府がガラス製造技術の流出を恐れベネチアでは、ガラス職人をムラノ島へと強制移住させました、この事により、ガラス製造技術の発展へとつながります。
16世紀になると、ボヘミア地方(チェコ)でもビーズ専用の溶鉱炉が設置されガラス製造が盛んになります。またロンドンでもイタリア人によってガラス工房がつくられ独占製造していました。
アムステルダム(オランダ)でも17世紀頃は、ビーズ製造が盛んだったそうです。
シードビーズを用いたビーズワークの起源はあまり古くありません。産業革命が拡大した1830年以降になると、シードビーズのサイズも豊富になり機械による大量生産が始まりました。
現在のシードビーズ生産国は日本、チェコ、フランス、インドになります。これらの国で作られたビーズは世界各地に輸出されています。
今でこそチェコと並ぶシードビーズ生産大国の日本ですが、大手会社の創業は終戦後からということなので、その技術革新には驚かされます。
では、時代別 又は、地域別に ビーズが人類とどのように関わって来たかを紐解いていきましよう。(つづく)


